柳澤 健太郎様
働くことは人を元気にすること
自分がどう生きたいか考えたときに、「人を元気にしていきたいな」

長野県で居酒屋経営の社長をしている柳沢健太郎さんにお話をお伺いしました。
居酒屋経営を始める前にどんな仕事をしていましたか?
初めての仕事はホテルマンですね。ホテルの接客だったりホテルの中のレストランだったりだとか、そういう専門学校に2年間通いました。接客をもっとやりたい極めていきたいと当時思っていましたね。だから東京に行って歌舞伎町でホストをやってみたいと、ホストを2年半やりました。その後地元の長野に帰ってきてサラリーマンを1年間位だったんですけどね、サラリーマンをやっていく間に改めて人生をどう生きたいのかを見つめ直しました。人生一回しかないじゃないですか、その一回の中で自分がどう生きたいか考えたときに、人を元気にしていきたい、繋がりや絆のある仲間が欲しいなといったところから、元気のあるお店をやろうと決めました。
サラリーマン時代に出会った新聞会社の社長さんがいて、君の夢を応援するよと言ってくれて、埼玉の新聞販売店で3年間お世話になりました。経営者になる準備、資金をためたり、人として大事なこと、経営者として大事なことを教えてもらい、その後居酒屋の修行のため、てっぺんの本部の会社にはいりまして、4年修行した流れでございます。
従業員の方が元気に働く秘訣は?
一番は、人を認め合う事、受け入れ合う事をすごく大事にしています。ただ出来ないことを指摘するのではなく、自分の教え方が良くないと受け止め、学び合っていく感じです。認め合っていく、褒め合っていく、承認し合っていく、そんな愛があふれるような仲間にしたいとなと思ってます。笑顔も大事ですよね。
仕事上で注意している、気を付けていることは?
代表取締役をやらせていただいていて、現場に入ることはほとんど無いのですが、社員さんやアルバイトさんがイキイキと楽しく輝いて仕事ができるように意識しています。
人と人とがつながる感覚がすごく嬉しかった。

ホストからサラリーマンになる決断は大変じゃなかったのですか?
逃げるようにじゃないですけど、早く辞めたかったような感じもありました。ホストやキャバクラの水商売って結構病んでしまう仕事でもあるようで。いい部分もあれば悪い部分もあります。自分自身もすごく追い込んでしまって、人のことは信じられないし、自分自身も信じられないというか、「あー自分はダメだ」みたいな感じになったりだとか、自分を責めるように辞めていったという状態も正直あったかもしれませんね。
経営はいつから考えていましたか?
サラリーマンをやっていた時にどんな人生をしたいかなと思ったときに、人や世の中が少しでも元気になったらいいな、そういう人生を生きてみたいなと思って、居酒屋をやろうと思いました。
専門学校の時に、ワタミでバイトをしていたんです。毎日のように来てくれる常連さんに「ケンちゃん今日も頑張ってるね!今日終わったら何しているの?飲みに行こうよ!」とすごく可愛がってもらえて、すごく嬉しかったんですよ。認めてもらえたり、自分がいたからこそ喜んでくれたり。人と人とがつながる感覚がすごく嬉しくかった。サラリーマンをやっているときに、居酒屋時代に自分が元気になれたことをふと思い出して、人を元気にするために、まず居酒屋を始めました。
「こんなところでは負けられない!全てはそこに行くための勉強なんだ」

従業員を何人も雇ってると思うんですけど、どんな基準で採用を決めていますか?
面接に最低2時間はかけますね。重いかもしれないけど、一緒に働くことは結婚する感覚だと思っています。うちの会社の大事にしていること、そのために目指していることなどたくさん伝えます。そしてなぜてっぺんを選んでくれたか、どうなりたいのか、どんな目的があるのか、どんな人生にしたいのか、一番嬉しかったこと感動したこと、苦しかったこと、そしてそれをどう乗り越えたか、など聞かせてもらいます。面接に来た方に、1、2日もう一度考えてもらって、逆にお返事を下さいと伝えます。特に基準はないんです。
会社から、面接にきた方に対して断ることは無いんですか?
今まではないですね。面接をしているときに、お互いにここじゃないなと思うので、それは自分で選択してもらっています。本当に会社の方向性に賛同してくれて、一緒に働いてくれる気持ちがあれば採用です。良いところも悪いところもオープンにし、お互いに嫌な気持ちにならないようにしています。小さい会社だからこそ出来ることがある。これからもこのスタイルで通していきたいです。
苦しい時のエピソードお聞かせください
一番苦しかったときは居酒屋の修業時代ですかね。
10年以上前、まだ上司や先輩がいるときに、オラオラとした時代だったんで、それが普通だと思っていたんです。年齢が二つ下の先輩が凄く厳しくて、出来てないと手も出る。何で自分はこんなことをやっているんだろうなと、時には逃げたくなる事も何度かありました。ただ、自分の夢や、大事な仲間と元気な会社を作るんだとイメージした時に、「こんなところでは負けられない!全てはそこに行くための勉強なんだ」と捉えていましたね。
その先輩が3~4か月で辞めっていった後、ずっと抑えて我慢していたものが解放されたように感じました。当時、怖かったし自分らしく笑顔も出せていなかった。でも辞めた後で自分は輝けるようになっていきました。
今となって振り返ると、厳しかった分、サービス接客の大事さの基準を教えてくれたのはその人だったんだなと思って、凄く感謝できる人だと思えるようになりました。
だから「自分は何のためにどうなりたいのか」という思いはとても大事だと思います。
元気でハツラツとして明るい印象が強いですが、そうじゃない日もありますか?
やっぱりまだまだ小さい会社でもあるし、この先のことを考えたときに、しっかりと続けていくことができるんだろうかと考えます。お金のこともそうですし、僕の力不足で離れて行っちゃった社員さんやアルバイトさんもいます。そういった中で、また人を傷つけてしまったり、うまくいかず人が離れて行ってしまったらどうしようと不安になったりします。やっぱり人無くしてはお店は経営できないですから。
同じ思いを共有できた事に繋がりを感じて、僕の心は元気になります。

いつも元気にみえますが、ストレスなどため込むことありますか?
基本無いほうだと思います。あんまり考えないようにもしている。「これ考えても解決しないよな」みたいな。それよりも、心が元気になる方法を一時期書き出していました。元気でいるとそれが習慣になってきて、それが普通になってくる。でも実際は元気になれない時や人に会いたくない時もありますよ。
僕も結婚していて、妻と子供が3人。一人になる空間が無いんですね。うまく時間を調整しながら漫画喫茶に5~6時間籠ったり、ゲームに没頭したりして全部忘れてようと逃避するときもある。何が良いとか悪いとか、自分の想いは全部大事だと思っている。こんなに考えちゃいけない、こんな自分はダメだと全然思わなくて、むしろやりたいことをやらしてあげることが自分の人生を大事にすることなのかなと思っています。
逆に自分の気持ちや思いを大事にすることができないと、人のことも大事にできないと思います。それは大事な仲間の社員さんや、お客さんのことを大事にできないという事。
完璧じゃなくて弱い時があるからこそ、弱わっている仲間の気持ちを感じられるし、受け止められるのかなと思うしね。だから自分の気持ちを大事にする事はとても大事だと思っております。
仕事と結びつくような子供のころの思い出や出来事はありますか?
小学校や中学校の時を思い出すと、「居酒屋で元気な場所を造ろう」というきっかけにもなっていた。小さいときの自分を思い出すと、すごく無邪気でわんぱくで、人と仲良く明るかったなと。逆にホスト時代は、人と距離を取って、人を信じず、周りの目を気にして小さくなっていました。子供の時は、友達と遊んで喧嘩したり泣いたり、でも皆とまた仲良く元気になったり。そんな風に生きれたらいいな、そういう日常があったらいいな、という記憶が今の居酒屋に繋がりました。もちろん仕事ではあるけれど、皆と仲良くいたいですね。
人と人との繋がりを感じたエピソードはありますか?
人と夢を語る時が一番つながる。その時自分はどんな力になれるんだろうな、人の夢を叶えている最中のイメージを考えるとワクワクするし、同じ思いを共有できた事に繋がりを感じて、僕の心は元気になります。それに幸せを感じます。今もまさに幸せです。
夢がないことについてどう思いますか?
夢がない人、よくいるんですよ。夢には大きい夢、小さい夢があって、一般的に夢は大きくなくちゃいけないと思われているけど、全然そんなことは無くて、「ディズニーランドに行きたい」「ラーメン屋に行きたい」そういったことも夢だと思うんですよね。
「やりたいことないです。夢無いです。」だったら、夢を見つけることを夢にしてほしい。
無いことが悪いとか、無きゃいけないとかではなくて、「こんな風に生きてみたいんだ」っていうような夢を探すことを夢にするだけ十分だと思います。
本当に決めたらなんでもできる。エネルギーも言動も全然違う。
今後の展望は何ですか?
まだまだ経営者として未熟ですが、目標としては、10店舗出店を目指しています。それからは、自分でやりたい人に対して、グループ会社のような形でみんなで守り合っていくような運営がしたいです。その後は、飲食店以外のことで世の中や人を元気にするようなことが何か降りてきて、他業種で何かやってくんじゃないかなって思います。
「決めたら絶対やる」という話、もう少し聞きたいです。
そうですね。覚悟という言葉が近いかな。「これをやろう」と思っても、実際できずに諦める時、「決めたつもりだったな。自分の中でほんとに決めてなかったな」と思います。決める事って、すごく深くて重いって感じますが、本当に決めたらなんでもできると思うんです。独立の経験を振り返ると、決め方がまだまだ浅いなぁと思いますね。
働いてても「こいつ、店長になるって決めてるな」「こうなりたいって決めてるな」という人って、エネルギーも言動も全然違います。
決めるって怖い部分ありますよね。
でもね、決めてる人はそれを乗り越えるんですよ、怖さも。
最後に一言お願いします。
今日はありがとうございました。僕が一番いい体験させてもらいました。
最近は忙しく、なかなか自分を感じられる時間がなかったです。今日は、皆さんが僕のことを聞いてくれて、僕のことを出させてくれて、僕の心が一番元気になりました。
「お役にたてる人間になれたらいいなぁ」と思っていた昔の自分に「お前も頑張ってきたな」「喜んで働いて、何か与えられるものがあるじゃねぇか」と言われているような感じがします。
僕は今日この場をいただいた事、有難く思います。今後もご縁がありましたら、どんどん繋がって行きたいです。どうも有難うございました!

