GOEN 小口 敦志様

働くとは「生きること」

「ありがとうの一言でやっていてよかったと思える」

長野市で遺品整理、特殊清掃をしている小口さんにお話を伺いました。

プロフィールを教えてください

長野市で遺品整理の仕事をしています。

8年前に長野駅ロータリーの近くにあるラーメンと焼き鳥の店をやっておりました。

食べることが大好きで、飲んだ後にラーメン食べられたら最高だなという思いから始めました。自分なりに頑張ったのですが、上手くいかず3年程で閉店する事に。

次の就職先を探していた時、大阪のメモリーズ株式会社という遺品整理の仕事をしている

代表の横尾将臣さんのブログに感銘を受けまして、「この方はご遺族の気持ちに寄り添い要望にお応えする仕事をしている。私はこの仕事がしたい」と思ったことがきっかけです。

「これが自分の仕事だ」と思ったことは何ですか?

私はこの仕事を天職だと思っております。すごく褒められますし、感謝されるからです。

やはり人間ですから、何度か心が折れそうになったことはありました。でも、お客様からの「ありがとうございました。小口さんに頼んで本当によかったです。」の一言をいただけて、やっててよかったと思えます。

苦労したことはありますか?

片付けても片付けても終わらない事です(笑)

あとはやはり、においですかね。

特殊清掃だけではなくて、ぺット臭などもやってます。何十匹と猫を飼っているお屋敷の消臭を請け負いますが「臭いが消えましたね」と納得していただける仕事を提供するのはそんなに簡単ではないですね。現場によっても違いますし、いつも試行錯誤です。

お客様と直接繋がり感謝を頂ける遺品整理

やっていて良かったことはありますか?

「ありがとう。あなたに頼んでよかった」その一言につきます。

プロの私たちでもやはり片付けは大変ですが、お客様との距離も近い分感謝を直接いただける事がやりがいで、嬉しいなと思います。

これからやりたいことは何ですか?

次の展開は考えています。

遺品整理は誰でもやろうと思えば出来る仕事ですし、注目もされています。また、私も遺品整理をずっとこの形態で行くというのは難しいし、進化していかなくてはいけないと思います。その中の特殊清掃とハウスクリーニングというものをどう柱にしていくのか検討したいですし、リサイクルにも力を入れていきたいです。

あなたにとって働くとは何ですか?

単純に、「生きること」です。

私は特に趣味が無いですし、ただ、褒めてもらいたくてやっているところがあります。綺麗にして納めたら褒めてもらえるだろうなと思いながら努めています。

ある意味、お金などではなくて生きがいと言えるかも。片付ける事が好きなので。

どんな仕事の人と知り合いになったり、巡り合いましたか?

多い所ですと不動産屋さん、弁護士さん、行政書士さんや司法書士さん、市役所もですが民生委員の方だったり、長野市でいうと生活支援課の方や、あとは施設の方、葬儀社さんです。会社経営者の方もいらっしゃいますし、テレビマンや建築業の方。様々な方とお会いしました。

故人さまと家族のつながり直し

仕事をしていく中で、ご遺族の方は辛い時に何を求めていると思いますか。またどんなメンタルでいようと心がけていますか?

人それぞれなので、どこまで私も踏み込んでいいのか迷う事はあります。何をしてほしいのかを依頼者様から引き出したいなと思いながら依頼を受けています。そして、故人さまが何か残したもの、渡したいものがあるのではないかと、想像しながら仕分けをし見つけたいと思っています。「これは大切なものかもしれない」と思ったものは、ご遺族の方にお渡しし、その結果故人さまとの「家族のつながり直し」を目の当たりにしたこともあります。そういった瞬間に立ち会えた時にはやりがいも感じますし、自分自身も感動します。

セミナーなどは開いていますか?

はい、開いています。

実際に遺品整理を請け負った時のお話しをしています。こう言った場で出会う方からのご依頼を受けることになったり、様々な相談を聞く中でお力になれる事があれば本望です。何事にも、ご縁。そういったご縁を、皆様も大切にしていただけたらなと思います。講演自体は現在はコロナウィルスで中止になっていますが、終息して日にちが決まりましたら、ホームページなどでご連絡いたします。

講演によって色々な人に伝わっていいですね。

そうですね。何かのきっかけになればいいなと。一世代前の方は「親の荷物を片付けるのに、他人様にお願いするなんて…」という認識をされていて、手付かずのまま何年も放置してしまう事があるので、これはけっして悪い事ではないですよと。

「こういう事をやっている業者さんがいるよ」と一つのきっかけ作りで私はセミナーを開いています。

受けられない依頼はありますか?

基本的に断りませんが、私もこの仕事にプライドを持っていますので、横暴な方の依頼は受けておりません。それでしたら他にお願いして下さいね、と電話でお断りすることはあります。ただ、すごい荷物量や汚れ、臭いに対しては一切断りません。それは挑戦だと思っていますので、「やりがいあるぞ!」と臨んでいます。

背負っている重い荷物を手放すお手伝い

孤独死の現場で、霊的現象が起きたことはありますか?

私は全くそのような瞬間にであったことは無いです。好きなんですけどね霊的なものは(笑)私の師匠にあたるメモリーズのお話をします。

亡くなったお婆さんの家で片付けをしていた時、「風呂釜も処分して下さい」と言われ、アルバイトの人に持ってもらったところ、運んでいたらアルバイトの人が「ギャッ!!」と言ってパッと手を放し走って逃げたんです。

しょうがないから、一人で運びましたが、その子はずっとうずくまっているんです。「どうしたんだ?」と聞いたら「いや…いるんです」と。「乗ってるんです」「何が?」「お婆さんが乗っているんです!」と。最初は何の事か分からなかったですがよく話を聞いたら、そのお婆さんは浴槽の中で亡くなっていまして、浴室の中から覗いていたんです。「おお〜運ばれてる」って。

孤独死の現場と聞くと怖がるからが多いと思いますが、もしいたとしても、私は「ありがとう」と言っているように思いますね。

心に残る現場というと、どのような依頼がありましたか?

こんなお話もあります。若い女性のお宅に見積もりに行った際、足の踏み場が無いくらいの荷物がありまして。最初は扉を開ける事もためらっていました。我々による片付けを終え、再び伺いましたら、どなたか分からないくらいにお化粧されてまして。「お綺麗ですね。」なんて余計な事言えないですから普通に淡々と話ましたが(笑)

シャンプーか、ボディソープのいい香りがしまして。当時はお風呂も入れない状態でしたが荷物を片付けてカビ等を落としたので、湯船につかれたのでしょう。「とても助かりました。ありがとうございます」と言って頂けました。雰囲気も変わり自信を持ったお顔になってました。「ああ、人助けしてるな」って思えますね。

物をため込む人というのは、重い荷物を背負っているので、それを手放してすっきりした状態になれば、凄く気も晴れると思います。

人形供養などされると聞きましたが、供養される住職さんは会社の方ですか?

会社が真島なのですが、近くに栄昌寺さんという住職さんがありご縁でお付き合いさせていただいてます。その住職さんに事務所に来て頂いて、魂抜きといいますか、お経を唱えて貰っています。お客様がご希望されるのであれば、そちらへ行ったりもしますが基本的に、余り費用を掛けたくない方が多いですので、段ボール箱2つ分くらいでしたら預かり、供養しています。

全員が全員雛人形を供養したい方では無いので、想い入れの強かった物や、ぬいぐるみなど「そのまま捨てるのはちょっと…」と思うものはこちらででお預かりしています。思い入れの強かったものを捨てるのは私自身も偲びないので、ご要望が無くても「これは供養したい」と思うものはこちらで供養します。


ご自身の仕事について「天職」「生きがい」と言い切っていらっしゃる強さや潔さが印象的でした。話していただいた今後のビジョンを楽しみにしています。ありがとうございました。

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